小園至
4月1日から5日まで真宗本廟で春の法要が営まれています。今から800年あまり前、1173年4月1日京都の東南、宇治に近い三室戸の里に親鸞聖人は誕生されました。90年のご苦労されたご生涯で我々に「南無阿弥陀仏」のお念仏をいただくご縁をくださいました。
その聖人の御恩を讃ずる御仏事として、本山では、4月1日に親鸞聖人の師徳奉讃法要が厳修されました。
聖人は「仏さまの教えは、真実の教えである」と述べられています。そして、我々は尊い先達からいただいたこの生命を粗末にしていませんか、と問われています。今、日本では残念ながら、尊さを損なう事件があちらこちらで起こっています。自分の都合で、邪魔になった子ども、また親、兄弟等の命が簡単に奪われています。
自分が生んだ我が子に身勝手な都合で暴力を振るったり、食事を与えず餓死させたり、親が孫、子をそして子どもが友を殺すという悲惨な事件が毎日のように起こっています。何故ですか?お父さん、お母さん、一日に一度は挨拶されますか?会話をされますか?子どもたちと一緒に食事をしていますか?子どもと話をされますか?おじいちゃん、おばあちゃんと話をしていますか?子どもを抱っこしてあげていますか?お母さんの温もりを子どもに与えていますか?子どもたちが、人の足を踏んだら、謝りますか?「南無阿弥陀仏」と手を合わせて感謝していますか?阿弥陀仏に合掌礼拝していますか?していなければ、今日「今」から始めてください。
生まれた意義と生命の尊さに目覚めよと仏さまが我々に呼びかけられています。それを真宗大谷派は「生まれた意義と生きる喜びを見つけよう」とスローガンにしています。これからの人生を仏さまの真実の教えを学び「南無阿弥陀仏」を生活の指針としたいものです。