009花まつり

佐々木智教

毎年、4月8日は「花まつり」の日です。

春の花で飾った花御堂(はなみどう)の誕生仏に甘茶を灌(そそ)ぎかけたり、白い像を引いてパレードをしたりと、釈尊(お釈迦様)の誕生をお祝いする行事が各地で行われます。

現代に生きる私たちが釈尊の誕生をお祝いすることには、いったいどのような意味があるのでしょうか。そこには、釈尊の教えに出会った人々が釈尊の誕生を仰いできた伝統が、今もって息づいているのです。

例えば、釈尊が誕生してすぐに七歩あゆまれたという話が伝えられていますが、これは釈尊の覚りが六道を超え出るものであることを明らかにしていると言えます。

六道とは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天のことであり、一時も迷いを離れられない私たちのあり方を教え示す言葉です。釈尊が七歩あゆまれたということは、その迷いの人生から一歩超え出られたということです。その六道を出た眼をもって、私たちの人生に他ならないことを見抜かれたのです。

このように、真実の理を私たちに教え示され続けてきたことへの敬いの気持ちが「花まつり」という仏事の中に込められているのです。

さて、三重教区では来る4月4日午前10時から「花まつり子ども大会」を開催します。灌仏(かんぶつ)や白像パレードのほか、影絵や子ども向けのアトラクション・記念品・お昼のおにぎりなどを用意しております。是非ともお子さんやお孫さんと一緒に桑名別院まで足をお運び下さい。お待ちしております。