037あとがき

いよいよ来年には親鸞聖人七百五十回御遠忌法要を迎えます。御遠忌への基本理念として、「宗祖としての親鸞聖人に遇う」が掲げられています。「何を拠り所として生きることが本当に人として生きることなのか」ということを、私たちに先立って明らかにされた方が、「宗祖としての親鸞聖人」であります。

インターネットの普及により、いろいろな情報が瞬時に、いつでもどこでも手に入るようになりました。各宗派や全国各地の教務所、別院の様子まで見られるようになりました。そこではいろいろな親鸞聖人が語られています。

ここにお届けするテレホン法話集『心をひらく』31集も、三重教区内の住職・坊守・ご門徒・有縁の方々に、3分という短い時間内ではありますが、受け止めていただいている真宗や親鸞聖人を自らの言葉で語っていただいた記録です。

けれども、本当に私たちは「親鸞聖人は宗祖である」と言えているのでしょうか。どこかで自分に都合のいい親鸞聖人を作り上げてはいないでしょうか。

私にとって人生最後の御遠忌になるかもしれない七百五十回忌において、私は親鸞聖人から何を受け取り、何を遺していくことができるのでしょうか。

発行が遅れ、皆様方には大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。