018我慢

折戸芳章

先日、全国の都道府県で我慢強いのはどこかという企画のテレビ番組を見ました。我慢強いナンバーワンは青森県で、あの厳冬横殴りの猛吹雪の中の忍耐強い生活を考えると「なるほどそうだなぁ」と思わされました。引き続き番組を見ていると、その後、我慢強さのランキングが発表され驚かされました。何と我が三重県はワーストワンで最下位ではありませんか。

よくよく考えてみると、多少の被害はあるものの、伊勢湾台風以後に大災害をもたらす台風もなく、また大地震もありません。農作物を育てるには最適の四季があり、他の都道府県に比べると「ありがたい」環境と土地柄なのだと思わされました。

しかし、その「ありがたい」環境が「当りまえ」になって生活していると、そのありがたささえも気づかなくなってしまうのではないでしょうか。この「ありがたい」環境の中で生活させていただいていることが、いかに幸せなことなのか、果たしてどれだけの人がそのことに気づかされ感謝しているでしょうか。

まだ記憶に新しい能登半島地震・新潟中越沖地震、そして中国四川省での地震の度に、ご門徒から「ご院さん、この辺りは本当に大きな災害が無く、本当にありがたい所やなぁ」と声をかけられます。

「ありがたい」ことに感謝することを忘れてしまうと、我慢することさえも忘れてしまうのではないかと、その番組を見せていただき考えさせられました。