036あとがき

『心をひらく』第24号をお届けします。

浄土真宗のみ教えは、仏に遇うこと、それは「自己を知れ」ということが基本です。それは、禅宗が教える公案の「父母未生以前、本来の面目」を知れという、生まれる前の自分を知れというものとは違って、どんなに教養のある人でも、その根性をみてみれば「色気に食い気に体裁」で生きているという罪悪感を強調するものと言えるでしょう。

こと日常の生活そのものから教えられる我が身とは、どろどろした本当に計算高い、救われない身であります。だからこそ、如来さまが救わずにはおかないとご本願を建てられたご苦労がしのばれてくるのです。人間そのものを誤魔化しなしに見据えられた仏さまの眼に遇うことによって、ようやく一歩が歩めるのではないかと思います。

この小冊子がみなさんの聞法の一助になることを念じております。