年頭のご挨拶

新年を迎え、仏前にて新たな年の歩み始めたことと拝察いたします。 三重教区の諸事業の推進のためご理解とご尽力を賜っておりますこと厚く御礼申し 上げます。

3年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、人間の無力さを突きつけら れ、私たちの日常生活を大きく揺さぶり続け今なお予断を許さない状況であります。 しかし、対策方途が徐々に明らかになっていく中で、それぞれのご寺院の独自のかた ちとして仏事、法務が勤められるようになってきました。桑名別院においても先般1 2月20日から23日まで三昼夜に亘り報恩講を勤めさせていただきました。感染対 策を講じながら、3年ぶりに人数の制限を行わず勤め、お斎も用意いただき、参詣い ただいた方からは喜びの声もいただきました。今後もこの流れを止めることなく教区 全体として「真宗仏事の回復」に取り組んでまいりたいと思います。

さて、私たちの宗門はいよいよ今春、宗祖親鸞聖人の御誕生と浄土真宗の立教開宗 を記念する慶讚法要をお迎えいたします。新型コロナウイルスの不安も相まって法要 に対する盛り上がりが欠けるのではないかという声もありますが、今回の法要は、真 宗本廟の阿弥陀堂、御影堂の両堂にて同時に勤行が行われ、法話も同時に別々の講師 によって行われる初めての法要であります。今この時代に生き、場をたまわるものと して共々に心して法要に臨んでまいりたいと思います。

法要に先立ち、昨年10月8日に教区お待ち受け大会が開催され、立教開宗は何を 開いてくださったのか、それは門徒になる「門」を開いてくださったのだ。それが南 無阿弥陀仏の門であり、親鸞聖人が開いてくださった「宗」であるとの大変重要な視 座をいただきました。そして、慶讚テーマ「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味 をたずねていこう」については、テーマの願いについて話し合われる小さな学びの場 や、語り合いの場を開き続けていくべく確認がなされました。このお待ち受け大会で の視座を確認しつつ、教区としての慶讚事業のあるべき形と内容を見据える取り組み も本年より進めてまいります。

教区内すべての人々の願いを合わせもって、同朋会運動の更なる推進をもって次代 に確実に念仏の灯を伝えていけるよう本年もご理解とご尽力をお願いいたします。

三重教務所長 安 田 雅