018おかげさま 

折戸芳章

ひと月ほど前に本堂修復落慶法要・蓮如上人五百回御遠忌法要を厳修させていただきました。

その後、数日経って、お願いをしていた方々から現像ができたと約1200枚ほどの写真が届き、法要のことを想い出しながら一枚一枚見せてもらって、とんでもない思い違いをしていた自分に気づかされました。住職という立場上、本堂・庫裏での出来事にしか気が配れず、役員さん、委員さん、年番さん、駐車係の方に各持ち場でお世話をかけていることは自分なりに了解はしていましたが、写真を拝見する中で、予想もしていない方々にまでお世話になっている写真がありました。多くの方に「見事に修復され、盛大で立派な法要で…」とお褒めの言葉をいただいて、自己満足に浸って、若干天狗になりかけていた私の傲慢な思いを一枚一枚の写真が教えてくれました。

御満座終了後、法要を終える安堵感と、感無量の思いで恩徳讃を唱和しながら、本堂修復計画後、着工して約1年半、準備に追われ疲れがピークだった法要直前の数日間は無我夢中で、とにかく何でも自分でやらねばと突っ走っていたことを思い浮かべておりましたが、一枚一枚の写真に、本当に多くの方の「おかげさま」でこの法要を厳修させていただいたのだと思いを改めさせられました。

如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし(真宗聖典505頁)

写真に映しだされた如来大悲の恩徳に感謝し、住職としてご門徒とともに修復された本堂を、真宗のみ教えに我が身を問い直す聞法の道場としていくことを、今一度心新たにさせていただいたことです。