009世界に一つだけの花

藤本和哉

『世界に一つだけの花』この歌は、人気グループ「スマップ」が歌ってヒットした歌です。今年の春の選抜高校野球大会のテーマソングにもなっています。様々な歌がありますが、この歌の歌詞にはたいへん考えさせられるものがあります。歌の中で、次のようなメッセージを送っています。

僕ら人間はどうしてこんなに比べたがる

一人ひとり違うのに

その中で一番になりたがる

そうさ僕らは 世界に一つだけの花

一人ひとり違う種を持つ

その花を咲かせることだけに

一生懸命になればいい

一つとして同じものはないから

ナンバーワンにならなくてもいい

もともと特別なオンリーワン

まさに、今の人間社会の現状を言い当てていますし、人間いかに生きるべきかに対して、一つの答えを示してくれています。一人ひとり違うのだから、他人と比べるよりも自分なりの生き方を大切にすること、みんなの中の一番よりもかけがえのないたった一人の私でありたいと訴えているのです。

人間本来の生き方について考えさせられます。私たち一人ひとりが「特別なオンリーワン」であれば、先に咲いた花を羨むことはないのです。いつ、どこで、どんな花に咲こうともかけがえのないたった一人の私なのです。しかし、ついつい背伸びをしたり、他人と比べてしまっている自分がいるのです。それも人間だからでしょうか。

『阿弥陀経』に「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」といところがあります。それぞれの色が、それぞれの色に光るということです。「オンリーワン」である、ありのままの自分を素直に受け入れて、一日一日をていねいに生きたいものです。