024自心に迷う

芳岡恵基

最近、私の村の周囲にはたくさんの新興住宅が建ち、今まで一度もお会いしたことがない人が、よく寺へお越しになります。そのほとんどが、「お守りを処分してください」とか、「写真に霊が写ったので、始末してください」という用件です。現代を象徴している問題ではないでしょうか。

今日の私たちの生活は外からのたくさんの情報に左右され、流されているように思われてなりません。人間の迷いは外からの働きかけによって、自分の内に眠っていた心が呼び起こされ、迷いの生活が生じ、ますます外に向かって自分の幸せを求めずにはおれなくなっているのではないでしょうか。これらのことについて親鸞聖人は「人間の迷いは、自分の心に自分自身の生活のあり方が惑わされているのであります」と言われております。

私自身もこの問題を通して、自分自身の心の内を気づかせてもらう尊いご縁でありました。