017 届けられたお念仏

小幡 実穂

毎月二十八日、西光寺の本堂に歌声が響き渡ります。ご門徒の皆様と亡き母で作り上げられた女性同朋会。雨の日も寒い日も忙しい合間をぬって皆様が本堂にお集まりくださいます。正信偈のお勤めをし、仏教に関する文章を読み、お菓子を食べてお喋りして、仏教讃歌を歌います。沢山の曲の中でも「なんまんだぶつの子守歌」は毎回必ず歌います。

なんまんだぶつ おじいちゃんのお念仏 お前はひとりじゃないんだよ 親鸞様もいなさるよ

なんまんだぶつ おばあちゃんのお念仏 いただきますありがとう 忘れず大きくなっとくれ

なんまんだぶつ 小さな子供と手を合わす 数えきれない人たちに願われ生まれたお前だよ

何度歌っても、胸が熱くなるのです。

先日、お孫さんを二人連れてご門徒さんがお寺にみえました「この子達、念仏したいっていうから連れてきたの。悪いけど本堂でお参りさせて」導師はおばあちゃん。キン役は七歳のお孫さん。ちょっと独特な節回しの正信偈が本堂に響きます。お孫さんも変わったところでキンを打ちます。でもとても楽しそうです。三人は満足げにニコニコ笑顔で帰っていきました。

偶然にもその日は児連キャンプから帰ってきた日でした。女性同朋会に来て頂いている方のお孫さんが参加してくれたのです。キャンプ中、おばあちゃんから渡されたお念珠を手にし、赤本を開いて一生懸命お勤めしていた姿がとても印象的でした。

こうやって次の世代にお念仏は伝わっていくんだなあとしみじみ思うのです。『財産遺(のこ)して銅メダル 思い出遺して銀メダル 生き方遺して金メダル』という言葉があります。「南無阿弥陀仏」を伝えることはまさに金メダル級に値するのではないかと思うのです。

そして、簡単に南無阿弥陀仏と称えていますが、実はこのお念仏は、お釈迦様の時代から海を越え、様々な苦難を乗り越えて、沢山の人の願いと共にこの私にまで届けられたものだ、ということに改めて気付かされるのです。

(二〇一八年九月上旬 南勢一組・西光寺坊守)