034御遠忌から得たこと

三好龍温

今年5月、蓮如上人五百回御遠忌を勤めさせていただきました。五年計画で境内の整備・本堂の洗い・仏具の洗濯等を同行のみなさまの協力によって立派にすることができました。不況の世の中、ご寄付を募ったところ、快く応じていただける方や、中には縁を切られる方、名を伏せてなら良いと言っていただける方等、いろんな出会いをしました。

ふと私に帰ると、「もらうものは多い方が良いし、出す方は少ない方が良いのは、自分のことや」と気づかされました。

仏具のお磨きをしてもらいましてピカピカになりましたが、御遠忌が終わってすぐに曇ってしまいました。周りが綺麗ですので、曇った仏具が余計目立ちます。「磨き方が悪かったんと違うか」とか、「薬品が悪かったんと違うか」とか言う人がいまして、今年の年番の人が自分のことを言われているように思われ、残っていた薬品を店で替えてもらい、ご夫婦と友人の三人で三日かけて再度お磨きをしてもらいましたら、元よりもずっと綺麗になりました。それよりも年番の方の目が輝いて見えました。満足そうでした。

仏具の洗濯では、ご本尊の頭の後ろの丸い物が鏡だと知り、形でもって教えを表してもらっていることに改めて驚きました。

けちな私、人と比べる私、満足を求めている私。御遠忌を通して、いろんなことを得ることができました。しかし、また元に戻る自分があることにも気づかされました。