016みっちゃん(仮名)の問い

北畠裕子

みっちゃんは保育園に通う元気でかわいい女の子です。でもちょうど一年前、お父さんが突然、脳出血のために亡くなってしまいました。保育園に迎えに来てもらった時はいつも、その大きな腕にぶら下がって帰る、大好きな大好きなお父さんでした。病院のベッドの横で「お父さん、ちっとも起きないね!」と言っていたみっちゃん。火葬場では「お父さんを焼いたらあかん!」と棺にすがって泣き叫んでいました。

満中陰法要の日、みっちゃんがお母さんに「お父さん、なんで死んだん?なあ、お父さん、どこにおるの?」と問うたのでした。「病気なんやで…もう、何度も言うたやろ」とお母さん。後で「みっちゃんにそう聞かれるのが一番辛い」と話されました。

この時から、みっちゃんのこの問いが私への問いとなりました。「お父さんはどこにおるの?」この問いに私はどう答えたらよいのだろう。「お父さんはみっちゃんの心の中にいるんだよ」それとも「お星様になって見守っているよ」…。どう話したら4才のみっちゃんが分かってくれるんだろうか、重い課題を与えられ日々を過ごしておりました。

でもある日、公園で無邪気に遊ぶみっちゃんを見ていて、やっと私は気がつきました。彼女は答えなど求めているのではなかったと。「私は大好きなお父さんが死んでしまって、本当に悲しいの、分かってよ」と訴えていたのですね。その彼女に対し、何とか答えようとしていたのは、全く傲慢な私の心でした。偉そうにしたい、いい顔をしたいという私の根性でした。

間もなく一周忌、みっちゃんは同じことを問うのでしょうか。たとえ、もう問わなくても、心の底にその問いを持ち続け、時間をかけて、大切な人の死を受け入れ納得していってくれることを願っている私です。